
「鵺」曲目解説
鵺(ぬえ)とは日本に伝わる妖怪である。不気味な声で鳴き、その声は不吉を呼ぶとされた。
もともと2018年にヴィオラとチェロのために書かれた曲で、タイトルはなく、一色萌生君という作曲家にタイトルをつけてもらった(イラストも書いてくれた)。その後、鵺というテーマをより盛り込みつつ2020年1月末にヴァイオリン独奏用に書き直し、迫田圭さんに演奏してもらったところ、ほどなくコロナ襲来。不吉を呼ぶ妖怪の面目躍如といえよう。
鵺の正体はもともとトラツグミという鳥だとされるが、キメラのような見た目で描かれることもある。姿はあらわさず、鳴き声だけしか聴こえてこないところが、鵺の魅力だろう。不吉を呼ぶために、いかなる儀式が行われているのか。舞でも舞っているのだろうか。
冒頭は鵺のトラツグミに似ていたと言う鳴き声と不吉のオーラ的な何か。それらを撒き散らす中盤、そして消えていく終盤という流れ。
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