[自作解説]”名前のない5体の神(2017)” for Classical Guitar

[Works]Contemporary/Classical

友人のクラシックギタリスト、五十嵐紅くんからの依頼で作曲した「名前のない五体の神」についての解説です。
いろいろなところで再演してくれているようで、私としても嬉しく思います。

5体の神、それぞれどこにいるのか。

舌を出した強面の仏像が印象的だった平櫛田中彫刻美術館が近所にあったり、旅先でも割と見た関係から土偶や仏像が頭の中によく出現していたので、こういう素朴な神様だったり昔の人の気配などがするような時の音って何かな、と思って作曲しました。
その時に、山の中などで風の音だったり木の葉のゆれる音が、まるで昔の人や精霊、あるいは神の声のように聴こえてくることを想起しました。
そういう音はギターが出せそうかな、と。
というとで非常にシンプルな、メロディと効果音の間のような、モノディテイストのモチーフが5つ出現します。

しかし、これは日本の神への視点の特徴として、「これが神だ」とはっきり言えない、曖昧なものです。
田舎や山道などでただの土の隆起や木の破片が偶然仏像に見えたりとか、そういう経験ございませんでしょうか?
そういったことから、「これです、これこれ!これが神の一人です」とはっきりは言えない作りになっているのです。
あとは、さっき見たやつが再度出て来たり、ほかと境界線がわからなくなったりしますので、ますますわからなくなります。

とはいえ取っ掛かりもあったほうがいいと思いますので、5つのモチーフの断片を紹介できればと思います。具体的にこのモチーフが例えば風をイメージしてるとか木漏れ日をイメージしてるとか作曲家からの想定はないです。

・ハーモニクスとグリッサンド。

・シの音を連続で演奏し、繋がっている様に聴こえる音型。

・弦をミュートし、ちょっと詰まった様な音が出る音型。

・ちょっと悲しめなメロディらしさの形が見える音型。


・マイペースっぽいメロディらしさの形が見える音型。

聴いていると、おそらくこれかな、というのが出てくると思います。
クラシックのふつうの曲みたいにちゃんと展開もされずに、すぐに儚く消えていく音型たちです。
耳をそばだてていただければありがたいです。

水曜日のクラシックVol34にて再演が予定されていますので宜しければ。

演奏会情報:vol.34 「ギターの歴史」

19.8.14(水) 19:00-20:00(18:30open)

hall60(明治神宮前駅より徒歩2分)

《チケット》

一般 3,000円/ペア 5,500円

《出演者》

五十嵐紅 guitar

《プログラム》

タレガ:椿姫の幻想曲
タレガ:アルハンブラの思い出
ソル:グランソロ 
門田和峻:ギターのための5体の神

【ご予約】

info@50gt.jp / 050-3573-4980

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