演奏会1個が新曲”ひだる神”[動画]for Flute,Violin,Horn,Piano

Concerts/Events

1時間半程度の演奏会全部描き下ろしという無茶企画。

たくさんのご来場ありがとうございました。

解説、ほんの一部ですが動画を載せます。

鵺 For Violin solo(Rev.2020)

Nue(2020) for Violin Solo (Violin:Kei Sakoda)ヴァイオリンソロのための「鵺」

鵺(ぬえ)とは夜に鳴く妖怪で、古来よりその声をきくと不吉を運ぶとされた。 もともと2018年にヴィオラとチェロのために書かれた曲で、タイトルはなく、一色萌生君という作曲家にタイトルをつけてもらった。ちなみに彼は今そのコンサートがきっかけでONTOMOというWeb雑誌で鵺の記事を書いているという。

それにしても、「声を聴いて不幸になる」というのは具体的に何が起こっているのだろう? 鵺自身が不運を運搬してくるのだとしたら、声に乗せてその不運のオーラみたいなものも発しているんだろうか。鵺も努力して、舞でも舞ってそのオーラを捻出しているのだろうか。そのさまを想像しながら作曲した。

冒頭は鵺のトラツグミに似ていたと言う鳴き声と不吉のオーラ。それらを撒き散らす中盤、そして消えていく終盤という流れ。

不吉な鳥の音楽を聴いて、2020年の厄払いをしましょう。

自意識の感触 for Horn solo(2020)

自意識に感触があるとしたら。自意識を守ることにとらわれ過ぎている人がよくする、結論ありきの言説。あるいは内輪以外とのコミュニケーションの忌諱(きい)。そこまでして守りたい自意識はさぞ艶やかなのだろう。ぷにぷにしているのか、かさかさしているのか・・・。

音は人間のしゃべるさま、あるいはその人間の自意識というものの感触、質感のいずれかだと思っていただければと思う。

ホルンの会場依存型ミュート、壁ミュートが登場します。

紙 for Piccolo solo (Rev.2020)

kami(A Paper) for Piccolo Solo(2010,arr.2020)ピッコロソロのための「紙」
超短い「紙」ピッコロ版

元は単純にぴらぴらとした紙の質感をイメージした曲。その後、何度か再演の機会をいただくのだが、作曲当時ついていた作曲の先生に「そういうのはピッコロとかフルートとかにやらせれば良い」と言われたことが、ずっと記憶の片隅にあった。あえてピアノでやってダサい感じにすることに意味を見出しているつもりだったが、単旋律で軽い曲調はピッコロに合いそうなことも確かで、せっかくの機会なので今回演奏をお願いした。

八倍速欠伸(2020) for Horn and Violin,Flute,Piano(2020)

8x Speed Yawning(2020)For Violin,Flute,Horn,Piano-八倍速欠伸

常軌を逸した速さの欠伸を想像しながら作曲した。

ホルンの、声を同時に出す「重音奏法」に、さらに別の人間の声をミュートしてぶつける。ボワボワとトレモロが響く中から浮かび上がってくるものとは。

組曲「ひだる神」for Flute,Violin,Horn,Piano(2020)

疲労の神格化シリーズ。

 Exhausted1~4

"Exhausted2"(2020)for Fl,Vn,Pf – KazutakaMonden

日々の疲れている局面の切り抜き。疲れを感じる局面はそれぞれで、家にいるとき、楽しんでいるとき、休みの日などどこにでも疲れは潜んでいる。4曲はそれぞれ似た曲の感じを持ちつつ、異なるキャラクターを持つ。

 惰眠の回転

眠りたいときに眠れず、眠りたくないときに眠くなり、アホのようにごろごろと転がっている現象を神格化し、崇め奉った曲。

 視界の端を泳ぐ

ちょっと疲れると視界の端をうねうね泳ぐあれ、なんだろう、と子どものときに疑問に思った気持ちを思い出して書いた曲。「飛蚊症(ムスカイ・ポリタンテス)」という症状であることは後に知った。

 あせる紙 

紙きれ1枚にものすごく焦らされることは多い。その紙に神を感じた曲。だいたいそういう紙というのは非常に数字的であったり、合否であったりなどデジタルなデータを扱う場合が多い。そのため、非常に規律的な曲調となっている。テクノを参考にした。

 顔にはりつく  

顔には非常に多くの要素が含まれていると思う。微細な違いも敏感に感じ取ることができるものであり、人々の視線が集中する場所である。顔に関する面倒事全般が神化し、はりついていたら。化粧水のごとくすいこまれていくのだろうか。

作曲者からみた演奏者紹介

福島さゆり(flute)

力強さと繊細さ、細かさ。ダイナミクスの表現が魅力的。配慮が行き届き、安定していて真摯なフルーティストです。私の大学院の後輩です。

迫田圭(Violin)

自ら本格的な作曲も行うパガニーニタイプ。影がある強烈なスパイスの効いた”うっとり”ではなく”ねっとり”のロマンティズムが非常に魅力的です。私の学部の先輩。

近藤圭(Horn)

音楽大学界隈から悉く外れてきたキャリア、自主企画や日々のナチュラルホルン等の研究など、独自路線を極め、ここにきてそれらが昇華してきた感のある唯一無二のホルニストです。

配布資料に記載した「はじめに」

 皆さんは生きていて疲れませんか?私は疲れます。その疲れそれぞれに対して神をつくって、その神のテーマ曲をつくって、そいつのせいにしてしまおうというのが今回のコンサートの趣旨です。日本の神への考え方である、あらゆる物質に神が宿っている、というものに則り、生きていて疲れた時に出会う概念を勝手に神格化して曲にしてしまうということです。

「取り憑かれたら疲れが出てきてしまう神」である「ひだる神」はそれらの中から、古来の神として代表して出て来てもらっている形です。

program

紙 

自意識の感触 

八倍速欠伸

組曲「ひだる神」

1.Exhausted-1

2.惰眠の回転

3.Exhausted-2

4.視界の端を泳ぐ

5.Exhausted-3

6.あせる紙

7.顔にはりつく

8.Exhausted-4

演奏会概要

「自意識」「朝はやく起きたら顔に貼りついてくる何か」など、疲れやネガティブな人間関係などを神化してしまおうという演奏会。

メロディと反復中心で1曲が短め。特殊な演奏法のカジュアルな用法。「珍味」的曲者揃いの演奏家。

1つのアルバムを聴くような感覚で楽しんでいただければ幸いです。

□門田和峻作品集「ひだる神」

□2020 1/25 19:00 start (1時間程度を予定)

□¥3000(税込、全席自由)

目黒・芸術家の家スタジオ(JR目黒駅から徒歩7分)

制作ノート

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ひだる神、お名前(ニックネーム可)、予約枚数の順に書いていただければお席確保いたします。キャンセル料も無料なのでお気軽にご予約ください。

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