流行に珍しく乗ってみている。
音大に通いながら2年くらいまでは楽譜もろくに見ずほぼ読書に費やした私であるが、その手持ちをほとんど実家に置いてきてしまったので、あまり変なものは紹介できないかもしれないが、、
ということで自分のFacebookに投稿した内容はすべてここにも掲載予定。
#1「小林かいちの世界」
竹中夢二につぐ世代の大正の叙情画家の画集。夢二博物館で展示をやってたので手にとったが、大正ロマン的でありながらキリスト教的な作家性のなさが好きです。
#2「兄中原中也と祖先たち」
中原思郎著
あの中原中也の弟という恒星の真横に生まれたみたいな人生、中也自身の人柄も面白いが、それを見上げる弟の弟っぷりもまた情感あり。綿密な祖先への調査が後半に載ってます。ちなみに中原中也による詩による歌曲「ダダ音楽の歌詞」は本著の影響を大いに影響を受けました。https://kazutakamonden.amebaownd.com/posts/5649550
#3 虚構船団
筒井康隆著
高校の時に授業中に読んでいた本の一つです。文房具が宇宙を飛んでたり、人間の歴史のパロディとメタの融合みたいなのも出てくる話で、後半の句読点がぶっ飛んでいくラッシュは体験と呼ぶべきものです。SFのロマンの塊と言える有名な本ですが、このスペクタクルを音楽で表現できたらなーと当時は思って音大を志しました。ちょっと考え方はその後変わりましたがこのレベルのインパクトを生むことが夢であることは変わってない気がします。
#4「日本文化における時間と空間」
加藤周一著
思ったよりわかりやすく、かつ中身の詰まった名著。殊更「日本らしさ」みたいなものへの理解は曖昧になりやすいのだが、「今」に対する考え方、水に流しがちな体質であったり、本著は腑に落ちる点は多かった。
#5『明暗』
夏目漱石著
夏目漱石未完の絶筆とは言うがほんとに一番盛り上がるところで終わって、突き放される独特の読後感が作品に色気を与えてると思います。視点が他の作品よりも立体的に描かれておりより深みが増した感じがします。夏目漱石の他の作品を大きく引き離しでダントツで一番好きです。
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