John Adams作品の中期はだいぶ迷走している感じ?年代別にざっくり並べてみた結果

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ミニマル・ミュージック
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 「シェイカー・ループス Shaker Loops(弦楽六重奏)」作者31歳。長く緩急の効いた技ありの一曲。作品としてのまとまり・次元のようなものを感じさせられる。ある意味ではミニマルミュージック的な楽曲としては完成されてるんんじゃないでしょうか。逆にミニマルミュージックというジャンルの手詰まり感もここから感ぜられる。

John Adams – Shaker Loops – JACK Quartet

「和声学(ハルモニーレーレ) Harmonielehre」最初びっくりする。久石譲のハウルの序盤で出てくる雰囲気をさらにリズム押しにした感じ。金管主体になったりしばらくしていろんな楽器になる。無機的な感じもしてなんだかな。こっからさらなる応用が見たいなあという感じ。

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「中国のニクソン」作者38歳。オペラ。何コードか知らないが音階の上昇形が木管楽器で出現。歌と和音も地味に凝っていてなかなか。中国っぽいなんとも怪しげで無骨なイメージをよく描いているように思った。

Nixon In China (Opera): Act I Scene 1 – News

「トロンバ・ロンターナ」作者39歳。オケなのに4分。なんともファンファーレっぽい音形がずっと続いて、盛り上がって減衰するだけという曲である。

アダムズ:ハルモニーレーレ(和声学)/ザ・チェアマンダンス/トロンバ・ロンターナ/ショート・ライド・イン・ア・ファスト・マシーン(バーミンガム市響/ラトル)
「アダムズ:ハルモニーレーレ(和声学)/ザ・チェアマンダンス/トロンバ・ロンターナ/ショート・ライド・イン・ア・ファスト・マシーン(バーミンガム市響/ラトル)」(レーベル: Warner Classics - Parlophone)の試聴、全曲再生ができます。収録曲:ハルモニーレーレ(和声学) / ザ・チェアマンダンス...

ショート・ライド・イン・ア・ファスト・マシーン」こちらがもう1つのファンファーレ。先導するウッドブロックがとにかく目立つ。

John Adams: Short Ride in a Fast Machine – BBC Proms 2014

「Fearful Symmetries」41歳。うーんあんまり好きじゃないかな。リズム的に不規則だよね、とか同音連打の彼らしさは感じるが、それだけという印象。それともなにか意味合いとかあるんだろうか。響きとして面白いところはないではないが・・・。この時期1、2年おきにオケ書いてるからネタ切れになったんじゃね、と思います。

John Adams "Fearful Symmetries" 1988


「エルドラド」エルドラドとは大航海時代にスペインに伝わったアンデスの奥地に存在するとされた伝説上の土地だそうな。なんとも独創的な切り口。シャカシャカ打楽器が中心に曲は進行。伝えんとしている雰囲気は伝わってくる。なんというかサークル感も。後半へ途切れずそのままぶっつづけて盛り上がっていくのは徹底してすごい。 これはまあそこそこ良いかなと思った。

El Dorado: Part I. A Dream of Gold

「室内交響曲」アダムズ先生も45歳。編成も減って引き締まった印象。なかなか禍々しい音関係と複雑なリズムが特徴だが、このコンコン刻んでるのはいるのか・・・と聴き続ける曲。それがなくなるところで何かがおこるという仕掛けがある訳でもない。そういう野暮ったい効果をぶちこむところもこの人の特徴であるのだろうな。わりととっちらかってるが、個人的にはそれほどバランス好きじゃないかな。無調がとても無調ビギナーっぽい無調で練られてない印象を受けてしまうのよね。

John Adams "Chamber Symphony" – Grup Mixtour

「ヴァイオリン協奏曲」こういう禍々しいスタイルにはまったのかしら。彼らしいリピート感は感じられるとはいえ、これじゃない感も。なんだかんだ聴きやすいほうが好きなんだなあこの人に関しては。 クレーメルの演奏で色艶がついてる印象で曲としては聴きどころ不明。

https://ml.naxos.jp/work/2285373

「ロードムービー」これはいい曲なんじゃないでしょうか!ヴァイオリンとピアノだけでミニマルで、無駄のない楽しさ、あきのこなさ。難しそうだけど、これは好き。 佳曲といえよう。

John Adams Road movies –

「エルニーニョ」オケじゃなくて歌じゃん。この繊細さは派手ではないが好き。歌だけど。っていうかエルニーニョ現象ってなんだっけ?あー熱帯地域の気候変動のことか。昔の勉強ってもうなんともいえぬほど過去だな。

「My Father Knew Charles Ives」作者56歳。おやじはアイブスを知ってる。あのチャールズアイヴスのことなのかな?(ちょっとは曲を調べて書けよって話だけど)まあ確かにアイブスらしさは感じなくはない。無調なのか暖かいのか不明な感じでじれったくて美しさも放っている。と思ったらいきなり陽キャラに無理してなった人みたいな楽想が出現。

My Father Knew Charles Ives, I. Concord


「City Noir」62歳。サックス目立つ。ビッグバンドっぽさが色濃い。律動とカオスの皮膜という感じでぐんぐん進んでいく。ちょっと水野修孝を思い出したけどそれよりきちんとまとまっている。ウッドブロックたんとんはまたちょっと顔を出す。この人の趣味なんだろうな。3年位前の私はこれを名作だと日記に書いているのだが、今聴くとうーんそうかな。ジャズバンドについての知識が乏しかったのかもしれない。下記は2013年改訂版。

John Adams (b. 1947) – City Noir (rev. 2013)

Absolute Jest」2012年、65歳。冒頭は映画の入りみたいでわくわくさせられる。その海のぽつぽつのなかからあぶくのごとく現出するのはなになに第九のオマージュ?的な一瞬。素材はそっからとってるんだろうが再構築された音楽はキレッキレの得体のしれないシンボルとなっている。ティンパニ。弦楽器の擦れ方。なんの和音なのか謎、リズムちょっとしたずれ。シュニトケを律動的にした感じの箇所。

John Adams: Absolute Jest (2012)

まとめ

純然たるミニマルミュージックっぽさを持った初期の作品を経て、40歳くらいから途中でなんかドイツ的な無調手法を試しているのかな?と思える時期に突入する。そのあたりは正直すきじゃないかな。その後、近作の数曲はいろいろ経てまた調性がはっきりしたものを基調にしながらそのあたりの些事にとらわれることなくテクスチュアの生成に注力している感じが伝わってきて、一番しっくりくる作品となっている気がする。とはいえ、「現代音楽」としてみても、また過去のクラシックと比べても全体的に良くも悪くもサウンドが平易な面は否めないので、聴衆の性質や気分によって評価は一変するのは確か。現代音楽嫌いに刺さる可能性を秘めてはいるので、まずは「Shaker Loops」「ロードムービー」を聴くべし。それから、もっと踏み込んでいく可能性があるかどうかは、近作「Absolute Jest」等を聴けばわかるだろう。

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