[自作解説]”河童”for Clarinet,Violin,Piano(2015)

[Works]Contemporary/Classical


2019年になって思うこと

画像は遠野で実際に買ったおちょこである。今も愛用中である。

軽いイメージの音感と、9分という私の中ではロング・スパンという2者への折り合いがついたかなと思った曲。結構カッパっぽさ出てるんじゃないかと思う。途中のソロとかの書き方がちょっとなにやりたいか意味不明なのと、まぁカッパですね、で?みたいな印象を持たれたらまぁそれまでだな、という曲。

音楽的にやったことといえば、4度音程を意識した日本の民謡とアルペジオを合体させたような単旋律が基調となっていて、それが渦を巻いていく。和音も2度体積を使い、耳障りがよくかつしまって聴こえるようにした。各々のソロ的なところをたくさん設けた。

作曲当時書いた曲目解説

9月に行った遠野旅行のもやもやが残っていたので、それを曲にしようと考えた。カッパ淵の微妙な渦巻きから感ぜられる河童の気配から、タイトルは河童に決まった。Kappaと発音する芥川の同名小説は関係性は薄いが、カメレオン的に背景の色と合わせて体の色を変えるという文言は好きで、そこは大いに参考にした。柳田邦男の「遠野物語」には夜中に悪戯(の度は明らかに過ぎているが)を繰り返す遠野の河童が数多く描かれている。教訓としてもあまり役に立たなさそうな伝承として伝わる河童の、平易さと、湿っぽさと、後ろ髪を引かれるような幽玄な風合いが出せればと思った。クラリネットのシャリュモー音域、トレモロ、2度音程などをそのパレットとして中心に用いた。
 はるか尊敬する大作曲家の方々の中に紛れ込ませていただくという貴重な機会をいただいたことはとても恐縮だった。また演奏者の方々の素晴らしい技術と理解にたくさん助けられた曲になっている。心から感謝を申し上げたい。

再演にむけて

どこかで再演したいなーとは思ってる。

もし演奏していただけるのならちょっと改訂し、演奏しやすくできると思います。

ぜひご検討を・・・。

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