LCC”リディアン・クロマティック・コンセプト”の具体的な内容と自作への影響

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概要

ジャズ理論系の中でも特に高度な理論書。リディアンスケールを基調とすることに特徴があり、さまざまなコード・調性・スケールの関係を体系化してやろう、という本である。感想を羅列しているだけなので、専門用語多め・わかりにくいのを、ご了承ください。

読書感想

レッスン1まで:

1つのコードがある時に、どのスケールで即興しようかって思うわけだけど、こういうコードの時はこういうリディアンスケールを使えばいいんじゃない?という内容。普通に、例えばFm7だったら、Fm7の構成音を調べれば演奏可能なリディアンスケールが2つしかないから、そのどちらかということはわかるのだが、じゃあその2つのうちどちらを採用するべきなの?というと、以下の譜例のごとくらしい。

そして、スケールいろいろ。響きについて感想を述べてみました。

あとは、著者の生徒が行ったアドリブ例が載っているが、これについては正直良さがわからなかった。

覚えるコツがあるとすれば、とりあえずリディアの生成のコツは、m7が第三音から、7が七音から、Maj7が主音から、といったところか。

レッスン2まで:

長調・短調・ブルーススケールにおける、リディアンスケールについての解説。ここで、よく出てくるこれらの用語がわからないと意味不明になる。

バーチカルホリゾンタル:

直訳すると垂直と水平という意味。和声から入った人間には馴染みがないが要するにコード内でいちいちスケールを変えるか、横に大きく捉えてスケールを統一するかといったことだ。

ふつう、コードが変わったらスケールも変わる。コードとぶつかっちゃう音が発生する可能性があるからだ。だが、そこは男らしく、コードが変わって多少ぶつかっても同じスケールでアドリブを続けるという手法がジャズにはあるのだ。

ダイアトニックスケールとは、つまりはCDEFGABのように7音かつ【全・全・半・全・全・全・半】で並んでいるものを指す。となると長音階だけではない。ドリアフリギア・・・等の教会旋法も纏めるのだ。主音の概念が飛ぶのに慣れないといけない。つまり、和声短音階なんかはダイアトニックスケールには含まれないわけだ。

クロマティックスケールは半音階。

オルタードスケールについては、スケールだと思わない方が都合が良い。つまりは7th上のテンションコードを挙げていけば良いのである。根音、ー9th、+9th、第三音、+11th、ー13th、+13th。ある意味ジャズっぽい旨味を並べてみたらオルタードスケールになっちゃった的なものである。

レッスン3:

コードごとに固有のスケールがあるのだが、1つ目のスケールとは別に第二、第三のスケールを選べるということ。この展開は第二のスタンドみたいな感じで少年漫画的。そしてその可能なスケールへのヒントを記した表が付録されている。例えばC#7♭9に対し音階度数VIIを取りD LYD.を使用する。これらはコードとスケールがFとFisでぶつかっている。これは言われねば浮かばんなあ、ありなんだ。

ただ、おそらくどうやら、ありがちなII→Vのカデンツ上において、スケールを統一するといったことができたり、それぞれによりアウトゴーイングなスケールを適用することで、様々な色彩を得たりということが可能なのだそうだ。このあたりは、即興者の発想力への比重が高いということで、即興文化独自の理論だなあと思い感慨深かった。

レッスン4まで

Lee Konitz /Kary’s Tranceを例に、よりアウトゴーイングな旋律線の例を挙げている。
ほとんど普通の旋律なのだが、たまにわざとぶつけたりしている。ソロでこういうあえての汚しプレイをするのがかっこいいんだろう。クラシック系の汚し方はもっと通底しているものになりがちなので、そこらへんは即興文化であるジャズとの相違点であろうな。

レッスン5

ホリゾンタル調性引力が登場。

トニック・ステーションにについては、カデンツ、つまりはTDTみたいな一連のグループを指すってことでOK?・・・と思ったらケイデンス音のことだって書いてあった。なんだカデンツか。英語やめろ。

音階度数だったり、聞き慣れずぐぐっても意味のわからないワードが頻発する。文脈で察する能力も大切である。

アフロ・アメリカン・ブルース・スケールのアフロ・アメリカンって、アフリカ系アメリカ人のことだそうな。

ということで、A♭Maj7→G7→Cm7のカデンツをすべてCブルース・スケールで突破できるということが書いてある。これぞホリゾンタル!伴奏がまじめにカデンツで茶々入れてる中をゆうゆうと同じスケールでぶっ通すということだ。

チャーリー・パーカーの有名なソロによる解説でレッスン5終了。前述の生徒の例は何がいいのかわからなかったが、チャーリー・パーカーはさすがのフレーズといった感じで、初めて実践例として納得がいった。

ここを見ることができて良かった。

レッスン6

遠近関係の環に見る調性引力。調性同士の相性が載っている。ここも楽典勉強者にとっては新鮮にうつる。スケールが普通の長調短調じゃなくてリディアンになるので普段の調性概念から結構ズレるのだ。

レッスン7

7音〜12音まで、使う音数を増やしていくことでだんだんアウトゴーイングな響きを追求しようという話。アウトゴーイングとはスケールがコードから逸脱した感じの、というものを指す。これをうまくやれるのがジャズ的にはめちゃくちゃカッコいいのだという。それは、far out で、素晴らしいという意味もあるということからもわかる。

p98で実際の曲を取り上げてどのくらい遠隔の音を使用しているか述べているが、ちょっとこじつけ臭い。唐突に出てくのはベルグのヴァイオリン協奏曲の分析。p100くらいからざーっと分析が書いてある。これもまあ、真面目に読めばそうなのかもね、という感じだ。その後、理念・成り立ちについてと、資料がかいてあり、それで本書は終わる。

面白いところ

いわゆるクロマティック(というか非和声音)の使用方法として、和声の発展や、トータルセリエズムなどもあったわけだが、アナザーアプローチとしてのマインドはあった。と、なんとなく口調がルー大柴のようになってしまうが、そうなってしまうほど本書は日本語として読みにくい。ドビュッシー等の分析を行った際に逆説的に関連性を感じ取って遊ぶのが最もしっくりくるかな、と思った。本気でやるならスケールを覚えてアドリブできるようにしておくことだが・・・遊ぶときにちょっと意識すれば良いかな、という印象。おそらくだが、普通にコルトレーンとかすごい人のアドリブコピーしたほうが勉強になるとは思う。用語についての説明もかなり適当なので、解説書などを探してそばに置きながら読むことをおすすめする。

リディアンクロマティックコンセプト入門講座(4)

上記サイトが非常に参考になった。

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