歌ものメロディの書き方について経験的考察

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「歌もの」といわれるものを作る際に、なんでうまくできないのか、などとつい考えてしまいはしないだろうか。

いくつか思い当たる節もあり、それに基づいて作曲したら結構ウケもいいし、レッスンした生徒はでかいコンペティション当てたりなどと(私自身の結果でないのが若干腑に落ちぬ点であるが)ちょこちょこ結果も出てるので、非常に雑然とはしているが、少しまとめてみる試み。

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メロディが書けないんですがという質問に対する答え

「君をのせて」という曲がどうやってできているかというと、「あのちーへいーせーん」という箇所、それだけをスライドさせて繰り返して作っている。

このもとになるものが「モチーフ」である。

「モチーフ」を作成し、繰り返してみることが基本となるので、やってみよう。

あとは適当に鍵盤をたたいてみていい感じのが出るまで粘ろう。ガチャである。

歌詞があるなら歌詞に適当に歌を付けて歌ってみよう。

プロでも結局やってることは大概こんなもんで、そのうち出てくんだろ、みたいな感じでのんきに作っているものである。多分。

ちなみに小泉文夫さんの歌謡曲研究によると、この作曲の仕方は古来の日本にはなかった。日本が輸入したのは結構最近で、非常に西洋的な歌の作り方を、いま解説していることになる。

いや、そんなこと言われても・・・できる気がしないし、適当にやってみても、できたメロディがダサいんだけど。

いやまあそうなんだけどね。

まぁそうかんたんに名作が生まれるならみんなやってるわけなので・・・。

というのは身も蓋もない言い方であるが、いくつかパターンがあるのだ。

自分だとそう感じる場合と、「自分では今はダサいと感じていないが、そのうちダサく感じてしまうのではなかろうか」となんとなく自信がない場合。

どちらにせよ一旦放置して、忘れた頃にもう一回見てみよう。自分が作曲した曲がまだワーキングメモリに乗ってる間は、創作モードにあるから、印象が客観的になってないのだ。寝て起きたら幾文か客観的に聴けるはずである。考えずにさっさと寝るべきである。

次に具体的な修正方法である。

まず「増2度進行」「増4度進行」これが意外と知らずに入っていることが多い。

いわゆる「モチーフの使い回しをしている間」に入れてしまうのだ。

「どれみbーれ、しどれーど、らbしどーし」、みたいにスライドしたとして、らbしの間に増2度が入ってしまう。これは避けるべし。

あとはそのそも無駄な跳躍が多いことがある。

特に歌の場合、歌詞があるわけであるので「同音連打」が「メロディ性」に悪影響を及ぼすことは比較的少ない。

ということは無理に変な跳躍をしなくても様になるのだ。

いろんなメロディを歌ってみればわかると思うが、跳躍進行はゆっくりな場面しかあまり出てこない。どみどみどみーーみたいに繰り返すなんてことは非常に稀である。

歌のメロディなんてグレゴリオ聖歌の時代から大した進歩はしてないので同音連打か順次をできるだけ重用すべきである。

あとはこれは構成との相談でもあるのだが食ったリズムにするか平坦なリズムにするか、統一したほうがいい。

Aメロは食うなら食う、Bメロは平坦なら平坦。

サビまで全部食ったリズムを使っているとその食ったリズムの効果が薄れてしまうのだ。試しに削いでみよう。意外と良くなるときあるよ。

もちろんこれは一般的な話でありあえてそこをフックとしたいのならあえて用いるべきである。用い方によって強烈なインパクトを与えることができるだろう。

構成

AメロBメロサビ、というのが現代の日本の歌における基本構造であるが肝要なのはこれらのバランスである。

初学者のものだと、なんとなくつなげました、という曲になり、AメロBメロサビがバラバラに聴こえてしまう曲が多いが、Aメロで結構歌詞数やリズムも詰まっているものであればBメロで情報量を間引いたり、サビでまた開放したり、などといったメリハリが必要となる。

それをやらないならとことん同じ調子で突っ走ってしまったほうがいい。

例えば「めざせポケモンマスター」という曲はAメロでとにかくまくしたてる。たとえ火の中水の中草の中、と、すごい情報量だ。

そして、Bメロでは「マサラタウンにさよならバイバイ」ここはこう歌った後に大きく空白を作っているので、聴いてるほうは落ち着くことができる。「マサラタウンにさよならバイバイ俺はこいつと旅に出るピカチュウ」などとここも早口で続いていたらこいつ大丈夫かとピカチュウの身を案じたくなること請け合いである。

Cメロ(サビ)は高らかに歌い上げる「いつでもいつも〜」の箇所になりここは歌のリズムが非常に単純である。はねたリズムをほとんど使っていない。

以上のようなメリハリのきいた構成を前提にすれば曲は流れていく。

同タイプのAメロとBメロ、どちらも魅力的で、どちらかを消すのは忍びない・・・などと考えてしまうこともある。気持ちはわかるが、うん、また今度ね、などといって不採用にする勇気が必要である。(また今度などという機会はまぁあんまり来ない)

あとは、メロディにはベクトルが存在する。

音符を並べた際に、「上がってるか」「下がってるか」である。

Aメロ全体で見て、上がってたら、一度Bでバーンと落として、そっからサビに向かってだんだん上がる、などの音高に関する気遣いが必要である。

最も典型的なのは、「サビの終わり直前に最高音が来て、そっから少し下がって終わる」というフライタークの三角形を意識することである。つまり終わり直前にクライマックスがくると、そこでカタルシスを得られるので一番纏まる。

しかしこれは盛り上がりを目的とした曲の場合なので、ダウナー系の曲の場合は、下降系のメロディを並列するなどし、テンションを下げまくることを意識したほうが良いだろう。

良いメロディを目指して

私自身も当たり前だがメロディの創作はさらなる研鑽を重ねるつもりである。

しかしながら自己で生み出すメロディへの愛着は非常なものであり、これが他人に嬉しがられるのは望外の喜びである。

せっかく生み出すのであればより洗練させてあげれば、メロディも喜ぶというものである。

ぜひ作り、磨いてあげてほしい。

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