もともとヴィオラとチェロのために書いたのだが、ヴァイオリンソロになおしても曲調のイメージを損なわないな、ということに気づいたので、ヴァイオリン独奏に編曲した。
ヴァイオリニスト迫田さんの不吉な音に良く合っていると思う。
絵は作曲家で妖怪オタクの一色萌生さん。
ヴァイオリン独奏版初演当時のプログラムノート
鵺(ぬえ)とは夜に鳴く妖怪で、古来よりその声をきくと不吉を運ぶとされた。 もともと2018年にヴィオラとチェロのために書かれた曲で、タイトルはなく、一色萌生君という作曲家にタイトルをつけてもらった。ちなみに彼は今そのコンサートがきっかけでONTOMOというWeb雑誌で鵺の記事を書いている。
それにしても、「声を聴いて不幸になる」というのは具体的に何が起こっているのだろう? 鵺自身が不運を運搬してくるのだとしたら、声に乗せてその不運のオーラみたいなものも発しているんだろうか。鵺も努力して、舞でも舞ってそのオーラを捻出しているのだろうか。そのさまを想像しながら作曲した。
冒頭は鵺のトラツグミに似ていたと言う鳴き声と不吉のオーラ。それらを撒き散らす中盤、そして消えていく終盤という流れ。
不吉な鳥の音楽を聴いて、2020年の厄払いをしましょう。
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