割愛がすぎるが、多ジャンルとの関連を想定しているので、流れだけの確認に使って欲しい。
起源
ルネサンス後期。キリスト教の音楽だけでなく、世俗的な音楽がたくさん発生し始めた頃である。
フェレンツェでカメラータという古代ギリシャの音楽劇の再興を企画する動きが出てくる。これは「歌いながら話をしているように聞こえる音楽」を想定したもので、Monodyと呼ばれる。
Jacopo Peri(1561-1633)が作り出した、現存する世界最古のオペラ Euridiceで、その姿が確認できる。
これは聴けばわかるのだが、語り口調的であり、言葉は切実に伝わってくる。
しかし、劇としての動きが乏しく、あくまで「語り部的」な印象が強いのである。
モンテヴェルディ:「オルフェオ」
そこで、カメラータの理論を用いながら、大胆な不協和音を配するなどの工夫により、「語り部的」印象を払拭し、音楽としても十分楽しめるようにしたのがモンテヴェルディという人。この人はルネサンスとバロックの時代の移り変わりに大きく影響を及ぼした人であり、もうちょっと知られるべき人であると思うのだが、それはともかく、彼の作品「オルフェオ」がこちら。
器楽がより充実しており、切り替えがばっちりできている印象。
(シナリオ等詳しくは他のサイトにおまかせする)
モンテヴェルディの死後はオペラはより大衆化。スターの歌唱力を愛でるようになる。旋律美のアリアと高速・物語進行のレチタティーヴォ、という形式が登場。
有名な「すみれ」を含む”Pirro e Demetrio”もこの時期に書かれた。
とにかくもうちょいまともなオペラを作らにゃ、ということで、「オペラ・セリア」という、形式をかっちりしたオペラを目指した動きが出現(オペラ・セリアという言葉そのものは後々つけられた)。メタスタージオという作詞家を中心に多くの作曲家がその形式に準拠して作曲した。
Gluck – Orfeo ed Euridice
やたらオルフェオやらエウリディーチェばかり出てくるオペラ史であるが、グルックのこのオペラではさらに、チェンバロでの伴奏が目立っていた従来のオペラとは対称的に、オーケストラがレチタティーヴォ部分も伴奏を担っている。ぐっと後年の「オペラ」に近づいた印象がある。
La Serva Padrona(奥様女中)』
ところで、オペラセリアは非常に長く重厚であるので、その幕間劇としてストーリーと関係ない別のオペラが上映されていた。これに民衆とはやはり単純なほうがウケが良いのだろう、飛びついた。果たして、その幕間劇だけを抜き出して上映してやろうというものが登場するのである。これが「オペラ・ブッファ(道化たオペラの意味)」
ジョヴァンニ・バッティスタ・ペルゴレージという作曲家が書いたLa Serva Padrona(奥様女中)』という作品がヒットする。
金持ちを女中がやりこめるというだけのコメディである。超わかりやすく、受けるのも納得である。
この作曲家は別にコメディ作家なわけではなくて、この幕間劇があった大元の本編も作曲している。まともにかけた人なのである。まぁ、この曲自体もしゃれていてよくできている。ちなみにこの作曲家は26歳で亡くなっている。長生きしていればもっと名前を残していたかもしれない。
とりあえずここまでにしておく。次はモーツァルトあたりか。どこかで、また。
コメント