はじめに
今回は、「誰でも知っているモチーフを用いてはいるものの、本人の作風が色濃く出ている作品」を紹介し、その後本人の代表曲を紹介する流れにしたいと思います。
1.シュニトケ《聖しこの夜》
アルフレッド・シュニトケは1934年生まれ。1998年まで生きていたので、クラシック史からするとガッツリ最近の人だが、ポール・マッカートニーが1942年生まれなのでそう考えると昔なような。
《聖しこの夜》を汚して遊ぶさまは、いわゆるヒャダインの「クリスマス?なにそれ?美味しいの?」の先取りと言えるでしょう。
とにかくこういう、既存の曲やスタイルを使いながら、歪みのようなものを生み出すタイプの人です。激しいロックやサイケなど好きな人とは共通点あるかもしれん。
代表作はコンチェルト・グロッソ。細工されたピアノを使ったり古来の形式を呼び覚ましたりなどいろいろ話すことは多い。
2.響紋〜童声合唱とオーケストラのための〜
上皇后さま(令和元年5月現在)も親交があった三善晃作曲。童声によるかごめかごめのフレーズと、激しいオーケストラの叫びがぶつかり合う。
戦争体験について、生きるということについて問いかけ続けた三善晃の作品です。
日本人にとっての恐怖を内在する音楽の中でももっとも上質なものの一つだと思います。
ピアノ協奏曲は上記よりはだいぶ若い頃の作品。こちらはリズム的に心地よくビビッド。ピアノ協奏曲好きな人やプログレ的変拍子が有りな人にはハマるんではないでしょうか。
3.ルトスワフスキ パガニーニの主題による変奏曲
おなじみパガニーニの主題による変奏曲。ルトスワフスキは1913年ポーランド生まれなので、現代というとちょっと古すぎるが、1941年作曲ということと、響がかっこいいので紹介しておきます。
こちらは同じ主題をラフマニノフが変奏したもの。
14分45秒からは有名な18変奏。
ラフマニノフのものと、ルトスワフスキのもの、それぞれの味が出ているのではないかと思います。
そしてルトスワフスキ代表作「管弦楽のための協奏曲」
大胆な和声とポーランド民謡の取り入れが特徴的です。
まとめ
「現代音楽」で何がおすすめ?という質問はたまにきくので、こういうまとめを作ってみました。
いろいろな方向から紹介できれば面白いかな、などと思っております。
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