
企画に携わった他、アンコールの浜辺の歌など、いくつか編曲もしました。
そんな浜の町音楽祭で2022年8月19日に演奏された楽曲の曲目解説を公開いたします。
R.シューマン:アダージョとアレグロ
シューマンが1849年(39歳頃)作曲した曲。もともとは当時珍しかったヴァルブホルンとピアノのために書かれた曲であり、その後ホルンの重要なレパートリーとなった他、チェロにおいても頻繁に演奏されている。
当初「ロマンスとアレグロ」というタイトルだったことからもわかる通り、非常にロマンチックなアダージョ部分ののち、躍動的で色彩豊かなアレグロ部分になる。一瞬アダージョに回帰するかに思わせる箇所もあるが、最後はさわやかに駆け抜ける。ピアノとの掛け合いも楽しい楽曲。
ベートーベン:弦楽三重奏曲 ト長調 Op.9-1
ベートーヴェンが1797-1798年(27〜28歳くらい)の時に書いた、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロによる三重奏曲。ベートーヴェンはこの弦楽三重奏曲を若い時に4曲ほど書いた後に、弦楽四重奏1番を書き、以降弦楽四重奏に注力していき弦楽三重奏は1曲も書かれなかった。弦楽四重奏に比べて弦楽三重奏があまり書かれない編成になっていったことに、無関係ではないだろう。そのため現在も演奏機会が多いとは言えず、あまり有名とは言えない作品だが、若きベートーヴェンを代表する作品である。
第二番 ト長調は3曲からなるOp.9の中の1つで、師匠ハイドンを思わせる溌剌とした音楽である。
1楽章
Adagio(ゆったりと)の序奏も決して重くはなく、ほどなくAllegro con brio(輝かしく快活に)の快活なソナタ形式が展開される。
2楽章
Adagio,ma non tanto, e cantabile(ゆったりと、しかし遅すぎず、歌う)という指示のある通り、落ち着きすぎない心地よさのある楽章。
3楽章
Scherzo(スケルツォ)
冗談めかして、おどけて、といったスケルツォはハイドンがメヌエットの代わりに3楽章に取り入れた。その流れを受け継いだ楽章である。踊りの楽章ではあるが軽すぎないところがベートーヴェンらしさとも言える。
4楽章
Presto(急速に)
影を感じる場面もほとんどなく、一貫して華やかで明るく過ぎ去っていく楽章。
ブラームス:ピアノ四重奏曲第2番 イ長調 Op.26
ブラームスのピアノ四重奏曲は3曲あり、完成年はバラバラだが、すべて1854〜1855年(21〜22歳)ごろから構想されたとされる。若きブラームスがロベルト・シューマンの家を訪問したのが1853年のことであり、ライン河への投身(1854)や彼の死(1856)などの大きな出来事に直面している時期とも重なっている。
3曲とも未完成のまま放置された期間ののち、1番と2番はともに1861年に、3番は1875年に書き上げられた。2番は1番に比べて明るくオーソドックスな形式を持っており、叙情的であると言える。ヴァオイリニストのヨアヒムに譜面を送り、彼の意見を取り入れて改訂を行い、ブラームス自身のピアノとヘルメスベルガー弦楽四重奏団によって初演された。
第一楽章
Allegro non troppo(ほどよく速く)
ピアノの特徴的なリズムがモチーフとなる楽章。
第二楽章
Poco Adagio(少し遅く)
弱音器をつけた弦楽器と、ロマンティックな旋律が特徴的な楽章。
第三楽章
Scherzo Poco Allegro(スケルツォ 少し速く)
速すぎないスピードとソナタ形式・対位法などを織り交ぜた、構築的で作曲者の凝りを感じる、大きな楽章。
第四楽章
Allegro(速く)
ハンガリー風のリズムと明快な旋律が心地よいフィナーレ。



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