
N響東フィルといった名だたるオケで活躍中の倉冨(Vn)・広田(Vc)とイタリアで研鑽を積んだ指揮者でもあり今年イタリアから帰国する矢野(Pf)によるピアノトリオと、門田の作品によるコラボレーションコンサート。
”現在のロマン”がテーマの門田作品が半分と、トリオが自らいま一番演奏したい曲として選曲したR.シューマンの楽曲を演奏するコンサートです。
コンサート用新曲とクラシックのコンサートはまだまだ分断されている印象があり、演奏家側が意欲的に委嘱して1曲だけ新作を取り上げる場合以外に、両方が融和するコンサートが見当たらないので、作曲家側が仕掛けるという試みをやってみました。
感染対策も万全にした上で行います。席数は緊急事態宣言が続くようでしたら半分になる可能性があります。販売用の録画収録もする予定ですので、無理のないようにお願いいたします。反響を見てシリーズ化も考えています。
Program
門田和峻”Rosarium”
Aチッカリョー二との共作として2014年作曲。門田分抜粋により何度か再演されている。バラをテーマにした短くポップな小品集。
朝曇、はまなす、茨、みかん。
詳細は下記。
門田和峻”紋切り型のロマン”(初演)
タイトルは町田康の小説「きれぎれ」から引用。紋切り型とは悪い意味で「月並み」のような、決まり切った、のような意味で使われる言葉。
今の世の中の溢れかえっている「ロマン」はロマン主義の音楽を中心とした先人の遺産を様々な「型」によって切り取ったものだと思うが、この曲はその型を変形させて切り取ることを意識した。聞き馴染みの良い型が異形として型どられたり、切り刻まれたりする。3楽章制、14分くらい。ざっくり緩急緩。
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R.シューマン”アダージョとアレグロ”
広田(Vc)*矢野(Pf)によるDuo Acrossのコンサートで定番となっており、何年もかけて姿を変えながら洗練されていっている。もともとはRシューマンによるホルンの曲だが、チェロとピアノでもよく演奏されている。ちなみに門田が数多くの収録を担当。
R.シューマン”ピアノ三重奏曲第三番”
シューマン最後のピアノトリオで、4つの楽章それぞれ強烈なクセがある名曲。このコンサートの企画が立ち上がった後、福岡の音楽祭で9月にも演奏されることが決定している。
Violin 倉冨亮太
東京藝術大学音楽学部弦楽科を首席で卒業。在学中に安宅賞等受賞。同大学修士課程修了。
シゲティ国際コンクール入賞。リピッツァー国際コンクール第2位(最高位)、特別賞受賞。
公益財団法人ロームミュージックファンデーション2016年度奨学生。
東京ジュニアオーケストラソサエティ講師。
現在、NHK交響楽団ヴァイオリン奏者。

Cello 広田勇樹
東京藝術大学卒業。卒業後渡仏、パリ地方音楽院室内楽科最高課程修了。
ビバホールチェロコンクール第4位、井上賞受賞。
飛騨河合音楽コンクール最高位受賞。リゾナーレ音楽賞(第1位)を受賞。
日本音楽コンクール入選。
コンチェルトソリストから、ソロリサイタル、室内楽、またオーケストラでゲスト首席を務める等幅広く活動している。
東京フィルハーモニー交響楽団にてフォアシュピーラー(次席奏者)を務める。

Piano 矢野雄太
東京藝術大学卒業後、同大学大学院修士課程修了。
その後渡伊、ミラノ・スカラ座研修所、またミラノ市立クラウディオ・アッバード音楽院指揮科修了。
第23回リナサラガッロ国際ピアノコンクール、バッハ特別賞。
第13回アントニオ・ナポリターノ国際ピアノコンクール第1位、国内外のコンクールで優勝、入賞多数。

Comp. 門田和峻
10/16(土)夕方〜 汐留ホール(東京・新橋)
残席○
[完売]10/17(日)14:00start アルスホール(茨城・つくば)

残席×
ご予約
チケットレスのコンサートですので、紙媒体のチケットはございません。
方法1:Peatixにてご購入いただけます。


手続きに多少ステップがありますので、難しいと感じられた方は方法2をご利用ください。
方法2:yurushiiro21@gmail.comか、電話080-1210-7349(門田)、下記お問い合わせフォーム、twitterのDMなど直接連絡、といった手段よりご連絡いただければご予約いただけます。
「トリオ予約 (お名前)(人数)(日付)」みたいな形でメッセージをいただければ、ご予約を承ります。その後、当日お名前を受付にお伝えいただければご案内できます。
・先払いは任意ですが、
お振込にてみずほ銀行 荏原支店(216) 3045225 聴色計画 代表 門田和峻
へチケット代をお振込いただければ、当日の受付での混雑を回避できます。「払いました」とご報告いただければ助かります。
・お支払い前のご予約キャンセルについては、可能ですが、なるべく早くご連絡いただけますようお願いいたします。(コロナ関係や天気などの場合はもちろん大丈夫です)
助成:あいらぶつくば
文化庁Arts for the Future(申請中)
曲目解説
組曲Rosarium(2013-)
学生時代とあるプロジェクトにより、イタリアの作曲家A・チッカリョーニとの共同 作品。バラ園を囲むように互いの作品を持ち寄ろうというコンセプトで作曲された。 チッカリョーニの作品は長く執拗で美しく刺激的。西洋のroseのイメージを反映して いると言える。それに対し日本原生のバラの特徴や考え方などを反映させ、可愛らし く短い作品を門田パートとして作曲することにした。フルで演奏するととんでもない 時間になるので今回は門田のパートのみを演奏する。
I.朝雲 曲のコンセプトが決まったはいいもののバ ラのことなど何もわからなかったので、と りあえず出かけた地元の薔薇園にて発見し た、黄色と赤のコントラストが柔らかな印 象の品種。ゆったりだが快活に、美しい朝 が顔を出すイメージ。
II.はまなす
作曲年、北海道1人旅行をやっていた際に多 く見られるのがこのはまなすである。ちなみにそのとき、北海道と東北方面を結ぶ急 行はまなすという夜行列車に乗ろうとしたのだが、ちょうど前日旅館のテレビでJR北 海道脱線貨物列車脱線の報を知り、あえなく運休。その後程なくして運行終了となっ てしまった。 小さく真っ赤な果実。花も小さい。とても酸っぱい。これが日本原生のバラの1つで あり、その特徴を表していると言える。甘さ控えめの跳ね回るような印象の曲。
III.茨 うばら 古来から日本においてバラは「うまら」「うばら」などと呼ばれていたそうである。 す なわち茨である。
茨城県出身の作曲者としては扱わないわけにはいかない。 ちなみに、奈良時代に書かれた「常陸国風土記(ひたちのくにふどき)」という本の 中に、「黒坂命(くろさかのみこと)という人が、古くからこの地方に住んでいた朝 廷に従わない豪族を茨で城を築いて退治した。または、その住みかを茨でふさいで退 治した」という話が書かれておりこれが茨城という地名の由来だという。(茨城県ホー ムページより引用) 花でもなく印象としてはトゲトゲしい手触りが全てなので、一瞬でその感じを駆け抜 けて終わる。
IV.みかん
実はみかんは「バラ類」ミカン科である。 これまでの植物はバラ類バラ科であったのだがそうではない、ただしまだバラ類では あるのでバラ、というなんともこじつけくさいが、要するに作曲者がみかんが大の好 物である、というそれだけの理由で作曲された。「みーかん」とでも歌っているかの ようなモチーフと果実のつぶつぶししていて甘いも酸いも重層的な味わいを醸し出さ せる3度和音が特徴的な曲。
紋切り型のロマン(2021)(15分) この曲は言うまでもなく今日のトリオに向けて書いたものである。
最初は素直にトリオの良さを引き出すことを目的にしたいくつか試作してみたものの しっくり来ない。 やがて少しずつ「どうなるかわからない」ものに変化していった。 なぜしっくり来なかったかというのは様々な理由があるが、後半のシューマン然り、 過去のピアノトリオの名曲の存在は大きい。「どういう印象として響くのかわからな い」という楽しみがシューマンよりないような曲であれば他の評価の固まっている作 品で良いと思った。 結果、旋律やそれっぽいものは登場するものの、ポップス・ジャズの影響やリズム的 ギミックなどを織り交ぜた形となった。 紋切り型とは月並み、判を押したような、ありきたりの、といったような悪い意味で あり、クラシックだけではない、現在考えられる安易なロマンチックへの自己批判も 楽章ごとのニュアンスとして含ませたが、そういった皮肉だけを目的にした曲ではな いので、あまり気にせず聴いていただければと思っている。
一:「アルペジオ」的なモチーフの繰り返し。 その場だけのロマンチックに響きがちな和音と顔のないモチーフが執拗な反復を経て そのまま肥大化していき気化するイメージ。
内向的な曲なのは間違いない。
二:「現在のポップス」によく使われる要素が順々に登場する。 ピアノのディレイ(反響のようなエフェクト)から始まり、反復のみの構成を経て、跳 ねるようなリズム、数秒おきにころころ入れ替わる切り貼りされたBGMのようなせわ しないパート、ミニマルな反復を経て先程のBGMのようなパートがより粗雑に切り取 られて再現され、そのまま首から突進して終了する。 例えば最初は洞窟で、段々抜け出して・・・など、景色がころころ変わるダイナミッ クな曲と捉えても良い。
三:「クラシックのロマン派」の印象が最も強い。 ナショナリズムというのもロマン派の大きなテーマであるため、日本のヨナ抜きの旋 律をそのまま入れた。ただしロマン派の曲とは違いここは現在であり、やがてもとの 調性を忘れて消滅へ向かう。 ちなみにピアノトリオは追悼の曲としても歴史上よく書かれた。明確にそういう曲である訳ではないが、時勢もありマインド的に影響されたところが ないとは言えない。






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